海外FXで利益が出た場合に確定申告をしないといけないのはわかる。
でも
利益が出ずにマイナスで終わってしまった場合ってどうするんだろ?
という疑問がある方も多いのではないでしょうか?
FXトレーダーで、会計事務所歴10年の私はトレーダー仲間からそのような質問をされたことがあります。
結論から言うと
基本的には申告する必要がないが、人によっては申告したほうが良い
ということになります。
どういうことなのか?をこちらのページで掘り下げていきます。
海外FXのマイナスを申告する必要がない理由
海外FXのマイナスを申告する必要のない理由は海外FXの損失は来年以降に繰り越すことが出来ないからです。
国内FXの場合は年間の取引が損失だった場合は最大3年間にわたってそのマイナスを繰り越すことが出来ます。
国内FXでマイナスを出した場合
なので、100万円の損失を出して、その翌年に70万円の利益、更にその次の年に50万円の利益を出した場合は
・1年目…ー100万円
・2年目…70万円ー70万円=0
・3年目…50万円ー30万円=20万円
となり、1年目に確定申告することによって2年目の確定申告ではFXによる税金は無し、3年目は利益は50万円出ても申告するのは20万円に対する税金となります。
ちなみに2年目、3年目に損失を引くには確定申告をする必要があるので、気を付けてください!
海外FXでマイナスを出した場合
海外FXで先ほどのように、100万円の損失を出して、その翌年に70万円の利益、更にその次の年に50万円の利益を出した場合はどうなるか?というと
・1年目…ー100万円
・2年目…70万円で申告
・3年目…50万円で申告
となります。
つまり、1年目のマイナスが一切使えません。
そのため、利益を出した2年目と3年目は確定申告する必要があるのですが、マイナスに終わった1年目は確定申告する必要がありません。
しかし、海外FXでマイナスを出しても確定申告をするメリットがある場合もあります。
その点についてもご紹介していきます。
海外FXのマイナスを確定申告したほうが良い場合
海外FXのマイナスを確定申告したほうが良い場合とは、他の雑所得がある場合です。
海外FXの利益や損失は確定申告上は「雑所得」という区分に分類されます。
同じ年の雑所得に分類される他の収入と海外FXのマイナスとなら合算することが可能です。
雑所得には例えば
・年金
・副業収入
等があります。
例えば、副業で毎月10万円、年間120万円の利益を出したとしましょう。
他のお給料のある方ならお給料とこの120万円を合わせた金額を確定申告することになります。
しかし、海外FXの損失が100万円あったとしたら
120万円ー100万円=20万円
が給料と合算する金額になります。
こうすると副業による所得が少なくなりますので、確定申告による税額が少なくなります。
もしも、合算対象が年金による所得なら、年金は源泉徴収がされるので、海外FXの損失と合わせることで源泉徴収の還付を受けられる可能性もあります。
海外FXの損失は給料とは合算することが出来ませんが、年金や副業による所得とは合算可能ですので、これらの収入がある場合は確定申告したほうが有利ということを覚えていただければと思います。
なぜ、海外FXを使うのか?
ここまでの流れだと
じゃあ、国内FXの方が得じゃない?
マイナス出しても使えないなんて、海外FXってメリットないじゃん!
と、思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに損失を出した場合はそのように思うかもしれません。
海外FXを利用する最大のメリットは少額で大きく稼げるからです。
FXはレバレッジを利用することで沖く稼げます。
国内FXではレバレッジ25倍までが最大で、25倍のレバレッジを利用すれば1万ドル(1ドル=100円と仮定)を保有するのに、本来は100万円必要ですが、その25分の1である4万円で100万円分の通貨量で1万ドル分を保有し為替取引をすることが出来ます。
一方海外FXではレバレッジ1000倍というところもあります。
レバレッジ1000倍だと100万円分の通貨量を保有するのに必要な金額はたったの千円です。
つまり千円札1枚分で
1万円札100円分の通貨量分のトレードが出来る
ということになります。
また、海外FXは基本的にゼロカット機能が搭載されているので追証がありません。
追証がないと元手以上の損失を負う必要がないので安心してトレードすることが出来ます。
投資で大きく儲けるにはある程度の資金が必要になります。
しかし、投資に使えるお金があまり多くない、追証で借金をするリスクが怖いなどの理由のある方は海外FXを選択しているのです。
最後に
今回は海外FXでマイナスを出した場合の確定申告についてご紹介しました。
海外FXのマイナスは
・来年以降に繰り越すことは出来ない
・その年の年金や副業収入とは通算できるが、給料とは通算できない
といった側面がありますので、多くの方は確定申告する必要がないということを覚えておくと良いと思います。