海外FX業者のiFOREXは法人口座が開設可能なのか?
iFOREXの法人口座は開設可能となっています。
こちらでは
・iFOREXで法人口座開設時に必要な資料は?
・法人口座と個人口座の違い
・個人口座ではなく、法人口座を開設したほうが良い場合は?
・iFOREX以外に法人口座が開設できる海外FX業者は?
などをご紹介しています。
私は仕事でFXをしている方の確定申告書の作成もしたことのある兼業FXトレーダーですので、税金関係に疎い方のお力になれると思いますので、お読みいただけると嬉しいです
iFOREXで法人口座開設時に必要な資料は?
iFOREXで法人口座開設時に必要な資料は以下のものになります。
・FX事業の証明書類
・トレード担当者の氏名(担当者がいる場合は委任状も必要)
・株主名簿
・登記簿謄本などの法人確認書類
・法人の住所確認書類
・法人代表者の身分証明書:パスポートなど
・法人代表者の現住所確認書類:住民票など
FX事業の証明書類を提出しなければならないので、定款や登記簿謄本などにこれから口座を開設しようとしている法人はFX事業を行う法人であることを示していなければなりません。
なので、法人名義でのFX口座開設前には税理士や司法書士に事前に相談しておくと良いでしょう。
法人口座と個人口座の違い
法人でFX口座を作成することの違いは大きく分けると3つです。
・経費
・税率
・損失
の3つです。
一言でいうと「税金関係」ということですね
経費
まずは経費になる金額の違いです。
例えば同じ値段のPCを購入して、同じように使っても個人と法人では経費になる金額が異なります。
私のような兼業トレーダーだとFXのためにPCを購入したとしてもそのPC代が全額経費にならない可能性が高いです。
このPCでYouTubeみて楽しむこともあるでしょ?
と聞かれたら「いいえ」とは言えないですしね(笑)
個人は業務として行う行動と個人(業務外)の行動の2つがあるので、それらを区分する必要があります。
例えば8万円のPCを買ってFXのために利用している割合が80%と算出したら経費になる金額は8万円の80%で6.4万円になります。
このように、個人の場合は支払う経費に対して業務と業務外の割合を出して、業務分の割合だけしか経費にならないのです。
世の中の個人事業主の方は皆、これをやって確定申告をしています
一方、法人は業務のために設立したものですので100%業務となります。
そのため、PCも全額経費にできます。
もちろん
「一切仕事に使ってません(笑)」
って場合は給与扱いされてしまうのでダメですよ!
税率
次は税率です。
個人と法人の税率の違いはこのようになっています。
・個人…稼ぎが大きくなればなるほど税率が上がる
・法人…一定(小規模の法人は一部軽減もあり)
となっています。
簡単に説明するとこのような感じになりますが、もう少し掘り下げていきましょう。
個人の税率
国内のFXの場合は税率は所得税と住民税合わせて20.315%なのですが、海外FXの場合は先ほども紹介したように稼ぎの金額に比例して税率が高くなります。
しかも海外FXの場合は個人の他の所得と合算した金額になりますので、他に給与がある方は「給与と海外FXの利益の合計」に対して税率。
給与と宅配配達と海外FXの利益がある方は、「給与+宅配配達の利益+海外FX利益」に税率を乗じます。
個人の場合は所得税と住民税が取られるわけですが、税率が稼ぎに比例して大きくなるのは所得税だけで、住民税は一律10%です。
所得税の税率は以下のようになっています。
(注)税率は令和3年時点のものです。
所得金額(収入から経費を引いた金額)に税率を乗じて控除額を引きます。
例:所得金額300万円の場合
所得税:300万円×10%ー97,500=202,500円
住民税:300万円×10%=30万円
合計:502,500円
となります。
所得税は稼ぎに比例して税率が上がり、住民税は一律10%と覚えておくと良いでしょう。
4千万円を超える金額は45%となるため、一億円以上稼ぐ方は
・所得税…1億円×45%ー4,796,000円=40,204,000円
・住民税…1億円×10%=1千万円
・合計で約5千万円
となります。
つまり稼ぎが多くくなると半分以上税金で持っていかれます。
参考までに2億円だと税金で1億500万円持っていかれますので税率約52%となります
ここから更に社会保険料も持っていかれますのでそれらも含めると手元に残る金額はかなり寂しいものになります。
法人の税率
法人の場合は法人税と地方税の合計となります。
法人税率は一律で23.2%となっています(小規模の法人の場合は年800万円までは15%)
そして、地方税も含めた税率は約33%となっております。
そのため、年間1億円の場合は税金で持っていかれるのは約3300万円ですので、個人の場合よりも約1700万円低いですね。
損失の取り扱い
最後は損失の取り扱いです。
ちなみに損失とは
年間の全海外FXの取引により利益ー年間の全海外FXの取引による損失
ですので、複数業者を使っていても全て合わせて計算したものです。
業者ごとに分けて計算とかは不要です。
個人の場合
海外FXの場合は損失が出ても一切考慮されません。
国内のFXの損失は個人の場合は3年間繰り越せます。
つまり、年間100万円の損失を出してもこの損失は3年間繰り越せます。
例えば
・1年目に100万円の損失
・2年目に30万円の利益
・3年目に90万円の利益
という場合のFXの税金は
・1年目…損失のため税金0
・2年目…30万円ー30万円=0 税金なし
・3年目…90万円ー(100万円ー30万円)=20万円 20万円に税率を乗じて税金計算
となり、2年目と3年目は利益が出ていても税金を払うのは3年目だけで、しかも3年目も20万円の利益に対する税金のみとなります。
しかし、海外FXの場合はこれが出来ません。
海外FXの場合は
・1年目…損失のため税金0
・2年目…30万円に税率
・3年目…90万円に税率
となります。
しかも、2年目と3年目に他の所得がある場合にはこの金額を他の所得と合算します。
ちなみに1年目の損失を他の所得と合算して他の所得を少なくすることは出来ません…
足しはするけど引きはしないという、ちょっと納税者にケチな仕組みです
法人の場合
法人の場合は海外FXの損失を他の所得と合算できます。
更に青色申告をしていれば海外FXの損失を9年間繰り越せます。
法人の場合は海外FXでも他の事業の損失でも9年間繰り越せるのです。
例えば、不動産賃貸業を営む法人が
・不動産賃貸による利益…1000万円
・海外FXの損失…100万円
という場合には利益900万円で申告しますし、逆に不動産が赤字、海外FXが黒字という場合にも同じように合算して申告します。
そして
・不動産賃貸による損失…200万円
・海外FXの損失…100万円
という場合には赤字300万円としてこの赤字を9年間繰り越します。
青色申告は税理士さんを付けていればほぼ間違いなく青色申告ですので問題ないでしょう。
個人口座ではなく法人口座を開設したほうが良い場合とは?
ここまで個人口座と法人口座の違いを紹介してきましたが最も知りたいことは
法人、個人のどっちで口座作ればいいんだ??
ということだと思います。
もちろん、結論は税理士さんと相談して決めるべきですが目安としては
・海外FXを含めた年間の所得が900万円を超えている
・法人の経営をしているが、赤字続きで繰り越している損失がある
といった、個人の税率が高い場合や法人の方で節税に使える赤字を抱えている場合は法人口座の開設を検討してみると良いでしょう。
個人は年間所得900万円から税率33%で、住民税は10%です。
法人の場合は住民税や事業税も込みで約33%ですので、所得900万円は一つの見込みですし、海外FXで利益を伸ばしていくとどんどん税率が上がるので先にFXで勝ったときのことも考えておいた方が良いでしょう。
まさか、負ける前提では始めないですよね
そして、既に税理士先生を抱えている方は海外FXの事をまずは簡単に説明しておいた方が良いでしょう。
というのも、税理士の中には海外FXを知らない人も多いので、国内のFXと同じで一律20.315%と思っている方もいらっしゃる可能性もあります。
他に法人口座が作れる海外FX業者
iFOREX以外に法人口座が作れる業者は以下のものがあります。
・GEMFOREX
・AXIORY
・FXGT
などがあります。
最後に
今回はiFOREXの法人口座についてご紹介しました。
・iFOREXは法人口座開設可能
・必要書類を揃えることが必要
・法人口座にすることで個人口座とは税金面で差が出るので、どちらで口座を開設するか?は検討の余地あり
といったことを覚えておいていただければと思います。